西陣織とはhistory

■西陣織の歴史
 5、6世紀頃、大陸からの渡来人である秦氏の一族が京都・太秦あたりに住みついて、養蚕と絹織物の技術を伝えたのが西陣織の源流とされています。平安時代になると織部司(おりべのつかさ)という役所が組織され、綾・錦などの高級織物を生産するようになりました。
 室町時代に入り応仁の乱が起こると、戦火を逃れ多くの技術者が京都を離れましたが、16世紀末頃に西軍の本陣跡、つまり「西陣」に再び集って織物業を再開しました。
 その後江戸時代に繁栄し、明治以降は海外の技術も取り入れ近代化し、デザインや図案はより洗練され今日に至っています。

■西陣織の特徴
 西陣織は京都(西陣)で生産される先染(さきぞめ)の紋織物の総称です。大量生産はされず、多品種少量生産が特徴です。
 染色した糸を使った模様を織り出すのですが、完成までに数多くの工程があり、図案家、意匠紋紙業、撚糸業、糸染業、整経業、綜絖業、整理加工業など独立した業者が分業しており、品種も「綴(つづれ)」「本しぼ織り」など全部で12種類ございます。

西陣織と「鈴木」about owner

 「鈴木」は明治40年、初代鈴木亥之助が大徳寺門前にて創業いたしました。
 以来110年以上に渡り先人より伝わる伝統技術を重んじ、時代の変化にあわせ革新を繰り返しながら西陣織と真摯に向き合ってまいりました。

伝統と革新の調和、モノ創りの精神を
「織文意匠」に託してshokumon-ishou

~古い能装束と百年以上も前に摺りあげられた文様を納めた冊子「織文類纂」との出会い。それは想像力を掻き立てた~

 京都国立博物館収蔵の古い能装束を見た時に、絹織物の光沢と量感に感動を覚え、真摯に取り組もうと決めた。その後、古来より伝わる日本の染織文様を分類した、明治25年発刊の図録本「織文類纂(しょくもんるいさん)」(帝国博物館編)との出会いをきっかけに自らの創作理念を意思表示する舞台として『織文意匠』というブランドを誕生させた。
 西陣織という織物文化に、意匠を凝らす。それは、先人たちの技と伝統を大切にして、現代の美意識で切り取ったものを次代に受け継ぐこと。時を経ても"新しい"感覚を持ち、使い続けるほど深みを増す西陣織を届けたいと願って。

※『織文意匠 [shokumon-ishou] 』とは、織物の模様「織文」と装飾上の工夫やデザイン「意匠」を組み合わせた造語。

絹が持つ独特の“光”を西陣織で表現expression

 手作業の技が隠されている西陣織は15業種ほどの最高の職人集団により分業で創りあげられる。彼らがもつ高度な技術や経験を引き出しまとめる(株)鈴木のプロデューサーが常に問い続けるのは「感動とともに長い間ご愛顧いただけるものなのか」。

 西陣織でしか表現できない美しい絹の光沢感を大切に、必然性ある本物を創造する。(株)鈴木で生まれる西陣織が、世界の方々の琴線に触れる魅力的なものでありますように。